英会話教室の契約をして1年コース代金50万円を一括で支払いました。でも、3ヶ月ほど通っても全く語学が向上しそうにありません。契約を解消したいのですが、仮に中途解約しても返金分はほとんどないと言われています。どうすればいいですか?

本件のような英会話教室などの語学学校に通うという契約は、継続的に提供されるサービスの中でも、内容が専門的で、その効果の達成などが不確実なものである、という性質を有することから、クーリングオフ制度の対象とされています。
しかし、クーリングオフをするには、以下のように、いくつかの条件があります。

①まず、提供される役務の名称が「語学教室」でなければなりません。語学の教授とは、入学試験対策や大学以外の学校での補習目的以外のもので、電話やFAX、インターネットなどの通信機器を利用したものも含まれます。

②次に、契約期間が2か月を超えていなくてはいけません。チケット制を利用している教室などでは、そのチケットの有効期限内がサービス提供期間と考えられています。有効期限のないものについては、いつでも利用可能であることから、常に2か月を超えているとみなされます。
また、契約金額が5万円を超えている必要があります。この総額5万円という金額には、入学金や教材代金なども含めます。

③そして、クーリングオフは、契約書面を交付された日を含めて8日間のうちにしなければなりません。具体的には、クーリングオフする旨を記載したハガキなどの書面で通知することが必要です。
しかし、本件の場合は、契約後3か月が経過しているため、クーリングオフを利用することができません。

そこで、クーリングオフ期間が過ぎた日から契約期間が終了するまでであれば、中途解約を申し入れることができます。
中途解約に理由は必要ありませんが、既に利用したサービス代金や、使用した関連商品代金の支払が必要となります。また、英会話学校のような業者側は、解約者に対して損害賠償を請求することができます。
このため、中途解約をあきらめる方もいるかもしれませんが、実は中途解約における損害賠償額は上限が決まっています。もし、契約書に違約金や損害賠償を特別に定めたり、特約が記載されている場合でも、決められた次の表の金額を超えてまで支払う必要はありません。

具体的には、サービスを利用する前に中途解約する場合の上限は15000円、サービス利用開始後に解約する場合の上限は5万円または契約残額の20%のいずれか低い方となっています。

したがって、業者が提示してくる金額よりも多い額が戻ってくる場合もありますので、金額に不審な点がある場合などは、専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

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